私たちの牧場では、生産農家から譲り受けた10か月齢・280~300kgの子牛を29か月齢・700~800kg程度になるまでに育てます。牛の発育形態は、月齢を追って変化していきます。優良な肉牛に育て上げるには、それぞれの発育特性を考慮した飼料給与マニュアルを軸に細やかな飼養管理が求められます。
当牧場での飼養管理の基本理念は、導入時から出荷まで「専任で肥育にあたる」ことです。
担当した牛の生育履歴を自ら把握することで、日々の健康状態、肥育状況をつぶさにチェックでき、その積み重ねで立派な肉牛を育てることができます。これを実践するには「真面目に正直に、やるべきことをやる姿勢」を持ち続ける事が大切です。真面目に正直に行った一日一日の積み重ねが、理想に近づく唯一の方法と考えます。
牛はとてもデリケートな生き物で、人が視界に入るだけでもストレスに感じます。いかに落ち着いた環境で過ごせるかが生育に関わってきます。当社では、牛舎の床に敷くおがくずをこまめに管理し、清潔な状態をキープしています。また、餌やりや掃除などを除き、牛舎に必要以上に立ち入らないよう注意し、牛たちに過度のストレスを与えないように心がけています。また、導入した牛に一定期間、屋外で運動出来る環境を整えるなど、ストレスフリーに努めています。
こうした環境づくりに応えるかたちで、牛たちのコンディションも安定し、ステージに応じた成長を期待できるようになります。
肥育牛の発育形態は、大きく3つの段階に分けて考えることができます。最初の3~4か月間は、肥育牛としての基礎を築くステージで、高栄養の乾牧草(チモシー)をたっぷり与え、運動を促し、第1胃をはじめとする消化器、循環器、呼吸器、また骨格フレーム形成などを目指します。その牛の素質をどこまで引き出せるのかを決定付ける期間です。
次の1年弱の期間は、まさに肥育のステージとなります。筋肉及び、筋間脂肪の発育を促進する重要な期間で、穀類主体の配合飼料をたっぷり与え、適量の稲わらで消化器官の恒常性を保ち、力強い発育を促します。肉量やサシの入り具合を決定付ける期間です。
最終の半年弱の期間は、サシの充実や肉のシマリを促す仕上げのステージです。満肉状態で成熟していく過程となり、日々の牛の変化、健康管理に最も気を遣う期間です。
導入から600日、日々積み重ねられる細心の飼養管理の結晶が「宮崎ひまわり牛」として出荷されます。
●野上食品
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